肺体血流比(Qp/Qs)の計算法
肺体血流比(Qp/Qs)とは
肺体血流比(Qp/Qs)は右心室と左心室から駆出される血流のバランスを評価する検査法で、正常であれば約1.0となります。通常の心臓超音波検査では評価しませんが、先天短絡性疾患を有する際にはQp/Qsを評価することで短絡血流量の血行動態(重症度)を予測することができます。人医ではQp/Qsが1.5以上であれば肺への負担が高いと判断し、外科的治療が必要と判断する場合があります。
心臓超音波検査
Qp/Qsを求めるためには、心エコー図検査から左室駆出血流量(Qs)と右室駆出血流量(Qp)をそれぞれ求めます。
左室駆出血流量(Qs)は以下の通り、左室流出路径と大動脈血流波形から計算します。
また、左室駆出血流量(Qp)も以下の通り、右室流出路径と肺動脈血流波形から計算します。
Qp/Qsの計算式
Qp/Qsは左室駆出血流量と右室駆出血流量をそれぞれ求めて比率を計算します。
それぞれ大(肺)動脈の径から円周率を用いて血管面積を算出します。
次に、大動脈ならびに肺動脈の駆出血流波形から時間速度積分値(velocity-time integral; VTI)を計測し、これらの積から左室駆出血流量と右室駆出血流量を求めます。
計算式は以下の通りです。
御覧の様にQp/Qsの計算には指数を用い、2段階で計算する必要があるため、簡単には算出できず、とーーっても面倒くさいため現場では直ぐに計算できません。
Qp/Qsの簡単な計算方法
使い方
AniCulatorの「検査」から「Qp/Qs」を選択してください。
- 肺動脈径を入力します。
- 肺動脈血流のVTI(PA VTI)を入力します。
- 大動脈径を入力します。
- 大動脈血流のVTI(Ao VTI)を入力します。
- 計算ボタンをクリックすると、画面の上段に計算結果が表示されます。
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